フリーライターAさんの裁判を支援する会

すべてのハラスメントにNO!性暴力と嫌がらせ、報酬不払いを許さない! 勇気をもって声をあげたAさんの裁判を支援する会です。出版ネッツのメンバーが運営しています。

フリーライターAさんの裁判とは?

■訴えの内容

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2020年7月13日、フリーライターのAさんが東京都中央区銀座でエステティックサロンを経営するB社(以下B社)とその経営者C氏を相手取って、東京地裁に提訴しました。訴えの内容は、①不払い報酬の支払い請求、②望まない性的行為とセクハラ発言とパワハラにより精神的苦痛を受けたことへの慰謝料請求です。

■事件の概要

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※画像はイメージです

○体験取材中の悪質なセクハラ

Aさんは2019年3月、C氏より「B社の体験記事を書いてほしい」との依頼を受けました。Aさんは、記事を執筆するためにB社で施術体験を受けましたが、その6回目、C氏は施術中に同意なくAさんのプライベートゾーン(水着で隠れる部分のこと)に触るという悪質な性的行為に及びました。

強いショックを受けたAさんは以降の施術を断った上で、B社の仕事を続けました。C氏から「B社のウェブサイトのSEO検索エンジン最適化)対策、記事作成を専任でやってほしい」との依頼を受けていたからです。フリーランスとして生計を立てていきたいと思っていたAさんにとって、「専任」という安定した形で仕事ができるのは願ってもないこと。Aさんはこのときの心情を「セクハラはなかったことにしようと、自分に言い聞かせた」と後に語っています。

○報酬の支払い拒否、突然のパワハラ

同年7月1日にAさんとB社は業務委託契約を締結。8月1日からAさんは毎日(土日の休みもなく)記事を執筆し、B社のサイトで公開しています。当初、C氏はAさんの仕事を高く評価していました。

ところが1回目の締日にあたる8月31日の打ち合わせ時に、C氏は突如「こんな質の低い記事に報酬は払えない」と言って、Aさんを責め立てました。Aさんは「指示してもらえれば修正します」と具体的指示を求めましたが、C氏はそれには答えず、「知識が足りない」「あなたは未熟すぎる」などと抽象的な批判を行うばかりでした。

それでもAさんは、9月に入ってからも仕事を続けました。しかし8・9月分の報酬は支払われず、打ち合わせのたびにC氏からパワハラやセクハラを受け、Aさんは体調を崩してしまいました。そして10月21日、Aさんは「8~10月分を支払っていただき、契約終了したい」旨を伝えます。しかし、その後も報酬はまったく支払われませんでした。

■看過できない人格権の侵害行為

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B社およびC氏によるこれら一連の行為は、Aさんの人格権を侵害する行為であり、決して許されるものではありません。そして、Aさんへのセクハラ、パワハラは、発注者とフリーランスという力関係の差を背景に、B社の業務に関連して行われた行為です。よって、裁判では、使用者責任ないし安全配慮義務違反による債務不履行責任に基づき、慰謝料を請求しています。

2020年6月からパワハラ防止法、改正均等法が施行されていますが、フリーランスへのハラスメント防止策に関しては「事業主の措置義務」とはならず、「望ましい取り組み」の表記にとどまりました。また、報酬不払いに対する強い規制がないために、フリーランスへの報酬不払いや減額が横行しています。この裁判は、Aさんの損なわれた尊厳を回復するためのものであると同時に、フリーランスが置かれている状況、権利保護の弱さに対する問題提起ともなるものです。

■この裁判を一緒に支えてください!

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多くの困難を抱えるなかにあって、勇気をもって声をあげたAさんの闘いに対して、支援を呼びかけたいと思います。この裁判の支援を通して、Aさんとともに経済的嫌がらせやハラスメントのない社会に変えていきたいと考えています。ぜひ、ご支援、ご協力をお願いします。