「支援する集会」リレートークより〜暴力やセクハラがない世の中を当たり前に
「支援する集会」リレートークより〜
2020年11月6日に開催された
「フリーライターAさんの裁判を支援する集会」では
支援する各団体から7名の方のリレートークが行われ、
この事件への憤りとともに、裁判を起こした
Aさんの勇気に共感する言葉が述べられました。
それぞれのトークの内容をご紹介します。
暴力やセクハラがない世の中を当たり前に
林 美子さん(メディアで働く女性ネットワーク)
2年前に財務省でセクハラ事件が起きたとき、テレビ局の女性記者が週刊誌に告発。
このことに背中を押されるようにメディアで働く女性が集い、「メディアで働く女性ネットワーク」を立ち上げました。
100人ほどのメンバーには組織ジャーナリストがいる一方、フリーランスもいます。
2020年2月に『マスコミ・セクハラ白書』(文藝春秋)という本を出しましたが、その中にもフリーランスがひどいハラスメントを受けたとか、書くという仕事をやめざるを得なかったという話が出てきます。
ハラスメントというのは、女性であるとかフリーランスであるとか駆け出しであるとか、いくつも脆弱性が重なるところで生まれます。
加害する側は権力の格差を利用してくるので、そこをなんとかしなくてはいけません。そうでないと、この仕事に希望を持ってやっていく人がいなくなってしまいます。
書くという仕事においては、人と1対1で会うことが多々あります。
そうするとその場でハラスメントが生じても、「証拠がないだろう」と言われてしまいます。
だからといって、2対1で会えばいいのかということでもありません。
なんで女だったら「ふたりで行け」って言われるのか。
そもそもそんなこと気にしなくてはいけない社会がおかしいわけです。
だから暴力やセクハラがない世の中を当たり前にして、仮にそういう問題が起こったら、必ずなんらかの罰を受けるとか業界で生きていけなくなるとか、そういう循環を作っていかなくてはいけないと思います。
Aさんが思い切って訴えてくださったのは、私たちが全体として進んでいくうえでの力になると、すごくうれしく思っています。
2019年6月に、国際労働機関(ILO)において190号条約(仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約)が採択されました。
この条約は非常に幅広い概念を有していて、対象にはフリーランスも就活生も含まれています。
だから日本の法制度における労働者の概念が狭すぎるままだと、批准することができません。
この条約の批准を求めることを含めて、さまざまな分野で闘っていくことが必要です。
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