「支援する集会」リレートークより〜違和感や不快な気持ちを表現する言葉の力を糧に
2020年11月6日に開催された
「フリーライターAさんの裁判を支援する集会」では
支援する各団体から7名の方のリレートークが行われ、
この事件への憤りとともに、裁判を起こした
Aさんの勇気に共感する言葉が述べられました。
それぞれのトークの内容をご紹介します。
違和感や不快な気持ちを表現する言葉の力を糧に
今城 啓子さん(出版労連女性会議議長)
今回の件では、勇気を持って声を上げてくださったAさんの行動に、心からのエールを送ります。
私たちは声を上げてくれた人をひとりにせず、この理不尽な暴力と闘う人たちを全力で支える覚悟でここに来ています。
古い話になりますが、今から約30年前、セクシャル・ハラスメントという言葉が流行語大賞をとりました。
この言葉が広く知られるきっかけの一つとなったのが、私たちが身を置く出版業界で起こった事件でした。
福岡の出版社で働く女性が、当時の男性上司から性的な悪いうわさを流され、後に解雇されたというものです。
このとき、私たちが長い間、社会で感じていた違和感や不快な行為に、呼び名が与えられたことになります。
これまで言いにくかったことや、言い表せなかったことに名前がついたことは、とても重要です。
相手に対して、言葉で指摘することができるようになったからです。
しかし、それから30年の月日が流れても、セクハラという言葉も行為も、まだなくなってはいません。
むしろ加害者と被害者の間で、意識の分断が深まっているようにすら思われます。
今回の事件のように、仕事の関係だとか生活がかかっている場において、弱い立場にいる人をわざわざ選ぶかのようにハラスメントが横行しています。
嫌なことは嫌だと声を上げるのが当たり前にならないと、そして声を上げた人を社会全体で受け止めていかないと、この問題はなくならないと思います。
セクハラという言葉が世に知られて30年がたち、2018年の流行語大賞では「#MeToo」という言葉が選ばれています。
SNSを通じて、声を上げた人をひとりにしないという活動が確実に広がっています。
Aさんが二度とこんな思いをしなくて済むように。
Aさんのような思いをもう誰もしなくて済むように。
私たちは、全力で闘っていきたいと思います。
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