フリーライターAさんの裁判を支援する会

すべてのハラスメントにNO!性暴力と嫌がらせ、報酬不払いを許さない! 勇気をもって声をあげたAさんの裁判を支援する会です。出版ネッツのメンバーが運営しています。

Aさんの背後には多くのAさんがいる

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フリーライターAさんの裁判を支援する会」が立ち上がったとき、私自身が若い頃に体験したセクハラ事件を思い出した。事件というほどではないが、セクハラはセクハラである。

 

それは私が編プロで働いていたときのこと。その編プロの後ろ盾になっていたのが某有名大学の名誉教授で、時々、接待のようなことをやっていた。私は入社したてで、どういう人物かもよく知らず、当時、70代と思われる教授の隣に座らされた。

 

すると、知らぬ間に教授の手が私の太ももを触っていたのである。「え、なに!?」とは思ったものの、会社にとって重要な人物だと聞かされていたので、じっと我慢していた。場所は二次会のスナックのようなところで、チークまで踊らされ、腰に手を回された。ずっと我慢し続けて、ようやく解散となり、自宅に戻ると、腕が痒くなり、赤いぽつぽつが広がっていった。ストレス性の蕁麻疹のようだった。  身体は正直である。

 

翌日、出社して早速、上司に「こういうことはやらせないでほしい」と訴えたが、「あの人がいないと、うちも困るから」といわれ、うやむやにされてしまった。そんなことがあってから、私は2度とその教授のそばには行かないようにした。

 

これは20年以上も前の話である。そのとき、私は「日本は男社会で、女性は同等には扱われず、性の対象として見られているのだ」と痛感したのを覚えている。いくら男女雇用機会均等法ができ、その後の改正でセクハラが禁止されても、多くの男性の意識は昔と大差ないのだと、Aさんの事件を通して思い知らされた。

 

おそらく私のような経験をした女性は、ものすごく多いのではないかと想像する。抗議しても適当にあしらわれたり、何をいっても無駄だと泣き寝入りしたりした女性がどれだけいるだろう。

 

今回、セクハラした男性・会社を提訴したAさんの背後には、数知れない多くのAさんがいるのだ。Aさんが勇気を振り絞って裁判を起こしたことに、私を含めて多くの女性が共感し応援していることを、裁判を通して世に知らしめたいと思う。そして、日本社会が少しでも変わることを願っている。

フリーライター・にゃんころりん)

※この記事は、noteから移行した記事です